野口体操

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群馬県生まれ。東京芸術大学教授。独自の人間観と実技に基づく革命的な運動方法である、「野口体操」を創り、演劇・美術・音楽など、幅広い分野で活躍しました。

「生きている人間のからだ、それは皮膚という生きた袋の中に、液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内臓も浮かんでいるのだ。
『原初生命体としての人間』より


この方
野口体操の創始者  野口三千三【みちぞう】さんです。

「より早く・より高く」という理念からは遠い彼の体操は異端視もされましたが、共感する生徒は、単位に関係なく熱心に野口の授業を受けるようになりました。このころから学生の間では「こんにゃく体操」などと呼ばれ、彼の名前は、演劇界のみならず、次第に哲学者や教育者からも注目され、広まっていったのです。

 

1998年、肺炎で入院する2日前まで教室の指導に通いました。「使命感・悲壮感のない遺言としての授業」と自ら称し、授業に命をかけていました。医師に過ぎた延命を遠慮し、自然のままにしておいて欲しいと語った2週間後の3月29日、安らかな最期を迎えました。

 

従来の身体観とはまったく違う視点を持っていました。彼が考え出した体操は、基本的に体が気持ちいいと感じる方に動かしてゆくものです。筋肉に負荷を与えて無理に鍛えるのではなく、ただただ体の感覚に身をまかせという発想が独特です。そうしていくうちに、自然に体が育ち、人が言葉や頭で理解しようとしがちな物事を、体全体をつかって感じてみたり理解してゆくことが可能になるのです。体は知性や精神とも深くつながっており、体が整っていかない限り、その先にも中々進めないものです。それまでの体操論に新しい視点をもたらした「からだの動きの実感を手がかり」に生み出された独創的な身体論。

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