ニーチェを読む

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フリードリヒ・ニーチェ(1844年10月15日~1900年8月25日)
ドイツ出身の哲学者・古典文献学者

生前は理解者がほとんどいなかった 発狂したのち意思の疎通もできない状態になってから知名度が急激にあがった。失恋や人間関係のトラブルも多く、生涯に38回も引っ越して37歳の若さで自死を選んだゴッホ(弟のテオが経済的精神的に支えていた)
人類愛に満ちた作品を生み出し、38歳で亡くなった宮沢賢治も(弟の清六さんが支えた)

牧師の息子として生まれ 5歳のとき、父と弟を亡くしてからは 妹と母と暮らす。
シュトラウスの『イエスの生涯』に大きな影響を受け牧師の息子でありながら、信仰を捨て、母と衝突することになる。

小学生のときのエピソード
にわか雨が降り、みんな走って帰ったのに彼は頭にハンカチをのせて歩いて帰ってきた。(校則に帰りは走らずに静かに帰れと書いてあるから)

妹エリザベートの存在
6歳ころから兄の書いた文を集めていた。
ニーチェ文庫を創設したり、兄の遺稿をめちゃくちゃに編集したりナチスに宣伝したり、兄が好意を寄せる女性に対して激しい嫉妬を感じて別れさせようと画策したりした。

幼少のころから聖書に親しみ作曲したり、詩を書いたりと じつに多才であった。
ピアニストで指揮者でもあるビューローに酷評されてからは作曲をやめる。
24歳という若さで異例の大抜擢 スイスのバーゼル大学の教授に推薦される。
これ以後、故郷を出て終生無国籍者として生きることとなる。
講義には学生が来ない せいぜい2人。

35歳を過ぎてからは片頭痛や激しい胃痛に悩まされる。
極度の近眼で発作的に何も見えなくなることもあった。
療養のために暮らしやすさを求めて在野の哲学者としてさまざまな都市を旅した。

バーゼル大学からの年金で生活していた
数人の友人が経済的支援をしていた。

入隊後、落馬事故で大怪我をして除隊。
求婚の相手を友人に取られ、家族との不和にも陥り哲学つながりの友人ショーペンハウワーとの決別。
音楽家ヴァーグナーとの関係も絶ち、わずかな友人だけになり、書籍もまったく売れず・・・孤独、自殺願望にとりつかれた苦悩の中でわずか10日間のうちに書き上げたものが『ツァラトゥストラはかく語りき』である。
わずか40部を印刷して そのうち7冊を親しい友人へ献本するだけにとどめた。

イタリアのトリノでの事件で警察のお世話になる。
友人たちは精神病院へ入院させたが母が退院させ実家へ連れ戻す。

母フランツィスカが亡くなり夫を自死により失った妹エリザベートが実家へ戻り兄の面倒をみることになる。
訪れてくる人に対しては意思疎通ができない兄と面会する許可を与えていた。(ルドルフシュタイナーもいた)肺炎を患い、55年にわたる人生の幕を閉じる。

ニーチェの哲学がそれ以後の文学哲学に与えた影響は多大なものがあり影響を受けた人物をあげるだけでも相当な数になる

戦後の民主化運動の思想背景はニーチェだった
古典文献学の教授でもあり、国語が大好きだったので古代ギリシャ哲学や古代インド思想に影響を受けていた

「神は死んだ」
神を否定するものではなくキリスト教を批判するものでもなくキリスト教が庇護する弱者がその庇護に甘えて、いつの間にか髪を信じることをやめてしまう未熟さによってキリスト教が失われる。

「すべては解釈である」
たった1つの見方、解釈にこだわる必要はない。いろんな解釈があるはずである

「病とは身体エネルギーの低下であるが精神の低下ではなく、むしろその苦しみにより思考を研ぎ澄ますものである」

・私は諸君に精神の三つの変化について語ろう。いかにして精神は駱駝となるか、いかにして駱駝は獅子となるか、そして最後にいかにして獅子は幼子となるかを。
・幼子は無垢だ。忘れる。新たな始まりだ。遊ぶ。みずから回る輪だ。最初の運動だ。聖なる『然りを言うこと』だ。
・創造という遊びのためには聖なる然りを言うことが必要だ。ここで精神は自分の意志を意志する。世界から見捨てられた者が自分の世界を獲得する。
・私は踊ることができる神のみを信じる。
・私がみずからの悪魔を見たとき悪魔はまじめで綿密で深く厳粛だった。それは重さの霊だった。この霊によってすべてのものが落下する。怒りによってではなく笑いによってこそこの霊は殺せる。
・いま私は軽い。いま私は飛ぶ。いま私は私の自らの下に見る。いま私を通じてひとりの神が舞い踊っている。
・どのようにして金は最高の価値を持つようになったか。金はありふれておらず役に立たず光り輝いてその輝きが柔らかいからだ。いつも金はみずからを贈り与えている。贈り与える者のまなざしは金のようにひかり輝く。金のひかりは月と太陽を平和につなぐ。
・諸君の魂は財と宝玉を得ようと努め、飽くことを知らない。それは君たちの徳の贈り与えたいという意志が飽くことを知らないから。君たちはあらゆるものを、みずからの方へ、そしてみずからの内へと、力強く呼び集める。そうしたものを諸君の泉から愛の贈り物として再び流れ出させるために。まさにこうした贈り与える愛はすべてのものを強奪する者にならざるを得ない。だが私はこのような我欲を健全と呼び、神聖と呼ぶ。

・諸君の精神と徳を大地の意義に奉仕させよ。そして万物の価値が新たに君たちによって定められるように。そのためには諸君は戦う者にならねばならない。そのために諸君は創造する者にならねばならない。
・知ることによって肉体は清らかになる。肉体は知を試して高まる。認識する者にとって一切の衝動は神聖になる。高められた者の魂は快活になる。
・友が君にひどいことをしたら、こう言うがいい。君が私にしたことは許す。だが、君が君にしたことを私がどうやって許せるというのか。すべての大きな愛はこのように語る。こうして許しも同情も超えるのだ。
・美の声はひそやかに語りかける。覚醒した魂にしか忍んではこない。我が紋章は私に向かってかすかにふるえ、笑った。美の聖なる笑いだ、ふるえだ。
・君たちの自己そのものを愛すること。それが諸君の徳だ。円環を求める渇きが君たちのなかにある。すべての円環はみずから自身にふたたび到達しようとして、環をなしてめぐる。
・生そのものが柱を立て階段を作り高みに向かって己を打ち建てていこうとする。はるか遠くに至福の美を見ようとする。そのためにこそ生は高みを必要とするのだ。
・私は未来の断片としての人間のあいだを行く。私は人間ひとりひとりを未来の断片として見ている。そして断片であり、謎であり、残酷な偶然のたまものであるものをひとつに取りまとめて総合すること。これが私の創作と努力のすべてである。
・人間は詩人であり、謎を解明する者であり、偶然を救済する者である。そうでなければどうして人間であることに耐えられようか。
・過ぎ去った者たちを救済し、すべての(かつてそうであった)を(私はそれを欲した)に作り変えること。これこそ救済の名に値しよう。

格言集(アフォリズム)という形式であり、彼のひとり語りである。
仏教のお経の冒頭に如是我聞という決まり文句が付随する形式と似ている。

ゾロアスター教の開祖ザラスシュトラのドイツ語読み(宗教とは無関係)
キリスト教と一線を画した世界観をもち、仏教やゾロアスター教といった東洋思想をよく知っていたことがわかる。道徳の矛盾を訴えたい。真理への誠実さを重んじる。

本来あるべき姿とは隣人に対する愛ではなく未来に出現する者への遠人愛であると説く。

ニヒリズムの克服
安楽を求め冒険しない
憧れや希望をもたない
意味や価値をもたない

 

『超人』
新たな価値や意義を見出す努力、情熱。
新たな理想を創出することを目指す。

世界が空虚であることを認識しながらもなお自ら虚像を創出し、意味を見出して前進する能動的ニヒリズム。
問題は過去にどんなことがあったかではなく今それをどのように解釈したか
今のできごとを過去に起こったことに起因すると帰結させるなら今の自分は過去に縛られていることになる。

救済されたいから罪を逃れる意識で自分の言行を正すのではなく、世界が何度巡り来てもいまここにある瞬間がかくあることを望むという強い生への肯定の思想。
単なる宿命ではなく自由意思によって招かれる世界の根源的な有り様である。

 

世界は円環的構造
一回性の連続という概念
その一回性の連続を永遠に繰り返す。

己の人生に否と言わず然りというため強い人生への肯定が必要なのである。

いまここにある瞬間の己に強くうなずく態度。それこそが超人への道であり 永劫回帰の根幹である。

 

危険思想として見られ批判も多い
ぶっ飛んでいるので論破しづらい
本質的で根源的であるがゆえに論破しづらい

哲学書というより詩的で神話のような独特な文体であり文学においても影響を与えている。常に読者に解釈を迫るものである。

映画 2001年宇宙の旅 で使用された シュトラウスの交響詩ツァラトゥストラはこう語った

ラテン語アモーレファティ 運命を愛する
ニーチェの思想からうまれる喜びや苦しみを含むすべてをありのままに受け入れる

ドラマにもなった 漫画 『ニーチェ先生 コンビニにさとり世代の新人が舞い降りた


ディオニュソス
豊穣と酔っ払いと葡萄酒の神 陶酔的・激情的芸術の神

 

今から およそ 2600年前? 世界最古の一神教アブラハム一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)や仏教に影響を与えた(来世観や終末論など)

アーリア人・・・イラン高原・ペルシアを中心に インド・イラン・欧米諸国へ

 

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